書店販売しておらず定期購読のみの月刊誌『選択』2018年3月号に掲載された皇室記事が話題です。
記事タイトルは「秋篠宮家の内実」、サブタイトルは<婚約延期で露呈した「皇嗣」への不安>。
女性天皇支持・秋篠宮立皇嗣反対に署名して下さったMさんから、その内容について紹介するメールを頂きました。
以下、Mさんのメールから引用します。
■秋篠宮の「不都合な事実」を取り上げた記事
(メールからの転載開始)
『選択』は政財官の内実や批判記事が多い雑誌で、皇室関連の記事は珍しいのですが、4ページにわたって、秋篠宮が皇嗣としていかに心もとないか等が書かれています。
>(今回の眞子さまの婚約延期騒動について)まるで元凶がすべて26歳の青年側にあったかのようだが、はたしてそれは正しいのか。今回の事態を招くに至った秋篠宮家、宮内庁の対応にも実は種々の問題があった。もっと言えば、来年5月の退位を控え、秋篠宮殿下は「皇嗣(こうし)」となることが決まっているが、それに不安を覚える関係者が思いのほか多い。
>現在、秋篠宮邸では増員される職員を迎えるため、新たに地上3階建ての事務棟件収蔵庫が建設されており、間もなく完成する。その後、私邸部分も改築が行われる予定になっているが、それを取り仕切るのは秋篠宮ではなく、紀子妃である。前回、悠仁様が誕生された後にも改修や増築が行われたが、その際にも主導権をもって指示を出していたのは紀子妃だった。ここに、秋篠宮家が抱える問題の一端が見て取れると、あるく宮内庁担当記者が語る。「宮内庁職員の中でもっとも不人気なのが秋篠宮家。女性誌にも報じられている紀子様の厳しい性格のせいで、肉体的にも精神的にも追い込まれるとして敬遠される」
>来年5月以降、秋篠宮は現在の皇太子と同格になるのだが、世間の関心に晒される覚悟はできているのかといえば甚だ心もとない。今上天皇の幼少期からの学友の一人がこっそりと打ち明ける。「勝手に留学を切り上げて帰国し、昭和天皇の喪中に婚約したわがままぶりをみても、いかがなものかと考えていた」
この人物は、秋篠宮について皇太子や清子さんと比較して「問題児」とまで言い切る。
>現在の天皇・皇后について、「は秋篠宮家と近く、東宮家との間には溝がある」という報道がされてきた。しかしこれは一面的だと別の宮内庁担当記者が語る。
「秋篠宮が天皇・皇后の元を頻繁に訪れて情報交換しているのは事実。しかし『自分の都合のいいことだけを天皇に吹き込んでいる』というのは、宮内庁職員の共通した見方だ」
>今回の眞子様の一連の騒動を見ても、昨年突如としてNHKに情報をリークしたのは秋篠宮本人というのが衆目の一致するところだ。大学進学などの例をみてもわかるとおり、「秋篠宮本人がやってきたのと同様、眞子様のやりたいようにやらせただけ」(前出ベテラン記者)にすぎない。
「そもそも、女性宮家の議論がある中、眞子様が降嫁することがどのような影響を与えるか、たいして考えずにNHKにリークしたようだ」
>(婚約延期について秋篠宮は頭を抱えているのが現実として)しかも秋篠宮は、この期に及んで眞子様に「破断」を納得させていない。秋篠宮がこれまで子どもたちにしてきた家庭教育のツケが回っているといえば、それまでだが、実は悠仁様、つまり将来の天皇の「義理の兄」になる人物のことであり、「家庭の問題」で片づけられるものではない。
>(天皇が退位後に赤坂御用地に住むことにしたのは悠仁様の近くで将来の天皇としての自覚を養い、責務の重要さを伝えるためという見方を示したうえで)はたして秋篠宮は皇太子の次の天皇になるのか--。多くの皇室関係者、宮内庁関係者の見方は、「秋篠宮は即位を辞退し、悠仁様が即位する」ということで一致する。
>(天皇の退位や眞子様婚約内定など勝手にリークされているため官邸との間に溝があることを示したうえで)官邸筋が語る。「秋篠宮家は眞子様を完全な民間人にさせると判断した。これは女性宮家への動きに水を差した」(中略)
しかし前述したように、秋篠宮の考えはそれほど深くない。それどころか「眞子様が一旦皇籍を離脱しても、女性宮家が創設された後に復帰できると考えていた節さえある」(前出皇室ジャーナリスト)。これでは政治の側が振り回されるのもむべなるかな、である。
>「入れ物」だけを準備しても相応しい皇嗣家ができるわけではない。「秋篠宮皇嗣殿下」の誕生まで、準備期間はあと1年2カ月ほどしか残されていない。
といった調子です。ざっと要点だけですが、ご参考になれば幸いです。
(メールからの転載ここまで)(Mさん、ありがとうございます)
上掲の通り、おかしな持ち上げ記事がお約束の秋篠宮家について、率直な事実(喪中婚約、子育て失敗、NHKへのリーク等)が書かれているため、この記事は東宮支持派にも好意的に受け止められているようです。
しかし、どうも腑に落ちない。この『選択』という雑誌、5年前に雅子さまバッシング記事(東宮--皇室危うくする雅子妃)を掲載しているのですが、バイアスがかかった見方を垂れ流す内容で、決して皇室の真実を取材して書くというスタンスのメディアではないはず。
と思っていたところ、鋭い眼光でこの記事の本質を見透かしているコメントを読む機会に恵まれました。お台所のオークリー様のコメントです。許可を得て、要旨をご紹介します。
■「読者に対し何を信じ込ませたいか」という視点で見ると
(コメント引用開始)
私は週刊誌であれテレビであれ、皇室記事は「コトの真偽」というより「プロパガンダ」の部分を無視するべきではないと思っています。読者or視聴者に対し、何を信じ込ませたいか、です。幸か不幸か(不幸に決まってますが)平成の天皇・皇后は週刊誌が大好きで、うまく使い倒してきました。
『選択』はどのような人を読者対象にしているかというと、“政財界のエグゼクティブ”だそう。つまり、今回『選択』は、社会で力を持っている人たちに「秋篠宮はわがまま男」「こんな男を皇嗣殿下にするんですよ、しかも着々と準備は進んでいますよ」と教えているわけですね。まぁ、私たちにとっては「今さら」感がありますが。
目に付いたところを書き出してみると。
>秋篠宮が天皇・皇后の元を頻繁に訪れて情報交換しているのは事実。しかし『自分の都合のいいことだけを天皇に吹き込んでいる』といのは、宮内庁職員の共通した見方だ。
>そもそも、女性宮家の議論がある中、眞子様が降嫁することがどのような影響を与えるのか、たいして考えずにNHKにリークしたようだ。
>しかも秋篠宮は、この期に及んで眞子様に「破談」を納得させていない。
>秋篠宮一人が皇嗣家を作るのではない、宮内庁の職員も含めて東宮家のような皇嗣家を成立させるべきだが、宮さまだけでなく職員にもその準備ができていない。
>譲位日程も決まった今、天皇が今最も心を配っているのは悠仁様のことだと、前出の皇室ジャーナリストは語る。
>葉山や京都に居を移していわゆる隠居することもできたが、あえて赤坂御用地に住むことを選んだ。これは秋篠宮家、というより悠仁様の近くで『将来の天皇としての自覚』を養い、責務の重要さを伝えるためだとみられている。
>「秋篠宮は即位を辞退し、悠仁様が即位する」ということで一致する。現在の秋篠宮家ではできない帝王学を天皇自らが施すことを考えているのだ。(中略)そのためにも心もとない秋篠宮を天皇や宮内庁がサポートする「ユージンファースト」の態勢を作ろうとしている。
おや? こうして書き出してみると、悪者は秋篠宮一人。ということは、ここでコメントしている皇室ジャーナリストは「キコちゃんLOVE」の岩井記者の可能性が高くなる? この男、『選択』に皇室についての連載を持っています。無関係とは思えませんね。
・秋篠宮家は皇太子家に比べて人手が少ない、もっと人員がほしい。
・今上天皇が悠仁親王に直接「帝王学」を施す。
これは常々、紀子妃が皇室ジャーナリストを名乗る山下晋司などを通じて言い続けていることですね。
>女性宮家への是非はともかく、これは天皇家側の強い意向だと説明されてきた。天皇と一番近いとされる秋篠宮が、長女をまっさきに皇室から外に出そうというのだから、政治側は戸惑うばかりだ。
>しかし前述したように、秋篠宮の考えはそれほど深くない。それどころか「眞子様が一旦皇籍を離脱しても、女性宮家が創設された後に復帰できると考えていた節さえある」(前出皇室ジャーナリスト)
アホやねえ、この皇室ジャーナリスト。「復帰できると考えていた節さえある」で終らせてはダメなんです。生前退位、女性宮家創設--平成は、自分から政治に口を出し、あーしてくれこーしてくれと要求した天皇の御代だということ、忘れてはいけない。
秋篠宮は「復帰できる」ではなく「復帰させればいい」と考えて、それを天皇に具申する。天皇は、「そうね、それがいいね。安倍にやるように言っておこう」というふうに進むのです。ここはシンプルに、「徳仁皇太子の次は悠仁親王。帝王学は暇になった上皇が教えるから大丈夫」ということを読者に知らしめる、というのがこの記事の最大の狙いだろうと思います。そして、頼りない秋篠宮を亭主に持って紀子妃も大変なのだから、職員に評判が悪くても仕方がない面もあるんですよとフォロー。あなた方エグゼクティブも、部下の顔を思い出せばわかるでしょう、仕事できない奴に限って上を厳しいと責めますよね、あれとおんなじなんですよ~と言っているわけです。
(コメント引用ここまで)(オークリー様、ありがとうございます)
■2013年『週刊新潮』スクープと同じ路線
オークリー様の解説を読んで背筋がざわつきました。この『選択』記事がさりげな~く読者に刷り込もうとしている皇位継承路線は、2013年に『週刊新潮』が「機密性の高い水面下の動き」としてスクープした「徳仁皇太子の次は秋篠宮を飛ばして悠仁親王へ」という路線とまったく同じ。以下、過去記事から引用します。
(1) 皇后様は『皇太子妃には将来、皇后の仕事はつとまらない』と考えておられる。
(2) 将来、皇太子殿下には天皇に即位していただくが、雅子様が皇后の務めを果たすことは難しいので、早期に退位していただく。しかし、その後に皇位を継ぐのは秋篠宮殿下ではなく、その長男である悠仁親王とする。
(3) これを実現するには、現行の皇室典範では不可能な「天皇の生前退位」や「皇位継承の辞退」を可能にする必要がある。
(4) このため、風岡典之宮内庁長官が安倍首相に「皇室典範の改正」を要請した。
(5) これらはすべて天皇、皇后両陛下の思し召しである。すでに天皇・皇太子・秋篠宮の三者会談でも話し合われ、納得されている。(「宮内庁幹部」が解説)
・週刊新潮「『雅子妃』不適格で『悠仁親王』即位への道」記事の信憑性について
このブログ記事で、「もし報じられている通りなら、天皇皇后の政治介入という、あってはならないことが起きている」と書きましたが、「生前退位」については、そのまま現実になってしまいました。NHKにリークしてメディアをうまく使い、「おことば」で国民を味方につけた結果、「憲法違反」の言葉を聞くことも殆どなく、とんとん拍子で実現してしまった経緯は、これまで取り上げてきた通りです。
同じように、雅子様バッシングで次期天皇を早期退位に追い込み、秋篠宮を飛ばして悠仁親王へ皇位継承するという企みも、現実になってしまうのでしょうか。平成は、ほんとうに恐ろしい象徴を戴いてしまったようです。
『選択』記事で強い違和感をおぼえたことが、もう1つあります。秋篠宮が深い考えを持たず眞子様を降嫁させようとしたと、執筆者は繰り返し読者に訴えてきますが、とぼけるのも大概にしてほしい。秋篠宮がNHKに眞子様婚約をリークしたのは「女性宮家を早く寄越せ」アピールだったことは、秋篠宮お気に入りの皇室評論家さえ言っていたことで、「衆目の一致するところ」であるはず。
NHKがどれだけ非常識な長尺で眞子様の公務ニュースを流し続けたか。呆れて開いた口がふさがらない、そのまま顎が外れるほどの厚かましさでした。それだけ必死でアピールしても政府動かず世論も動かず女性宮家の早期ゲットは失敗したわけです。
もし思惑通り世論が動いて女性宮家の道筋がついていたら、小室親子のスキャンダルはもみ消され、晴れて婚約していたでしょう。女性宮家ゲットに失敗したから、400万円程度の借金をことさらメディアに叩かせ、皇室に残ることができる可能性が低い結婚を避けたことはミエミエです。そのことに知らぬふりをする『選択』記事はおかしい。悠仁親王の不正入学や知的発達に問題がある疑惑についても全く触れず、あたかも秋篠宮より優れた皇位継承者であるかのように錯覚させる文章は巧妙としかいいようがない。
秋篠宮が「自分に都合のいいことだけ天皇に吹き込んでいる」「それは宮内庁職員の一致した見方だ」といった突っ込みは確かに他誌には期待できない新鮮さがありますが、「肉を切らせて骨を断つ」作戦をとったのでしょう。そういう作戦に出なければ鎮められないほど、今回の婚約延期スキャンダルへの世間の反発は大きかったのでしょう。しかし、そうした醜聞も、カエルの面に何とやらで、肝腎カナメである悠仁親王への皇位継承(秋篠宮家による皇室独占)というロードマップは、これからもさまざまなメディアを使って「当たり前の既定路線」として国民に刷り込まれていくに違いなく。私たちは「NO!」の意思表示をし続けなければなりません。
記事タイトルは「秋篠宮家の内実」、サブタイトルは<婚約延期で露呈した「皇嗣」への不安>。
女性天皇支持・秋篠宮立皇嗣反対に署名して下さったMさんから、その内容について紹介するメールを頂きました。
以下、Mさんのメールから引用します。
■秋篠宮の「不都合な事実」を取り上げた記事
(メールからの転載開始)
『選択』は政財官の内実や批判記事が多い雑誌で、皇室関連の記事は珍しいのですが、4ページにわたって、秋篠宮が皇嗣としていかに心もとないか等が書かれています。
>(今回の眞子さまの婚約延期騒動について)まるで元凶がすべて26歳の青年側にあったかのようだが、はたしてそれは正しいのか。今回の事態を招くに至った秋篠宮家、宮内庁の対応にも実は種々の問題があった。もっと言えば、来年5月の退位を控え、秋篠宮殿下は「皇嗣(こうし)」となることが決まっているが、それに不安を覚える関係者が思いのほか多い。
>現在、秋篠宮邸では増員される職員を迎えるため、新たに地上3階建ての事務棟件収蔵庫が建設されており、間もなく完成する。その後、私邸部分も改築が行われる予定になっているが、それを取り仕切るのは秋篠宮ではなく、紀子妃である。前回、悠仁様が誕生された後にも改修や増築が行われたが、その際にも主導権をもって指示を出していたのは紀子妃だった。ここに、秋篠宮家が抱える問題の一端が見て取れると、あるく宮内庁担当記者が語る。「宮内庁職員の中でもっとも不人気なのが秋篠宮家。女性誌にも報じられている紀子様の厳しい性格のせいで、肉体的にも精神的にも追い込まれるとして敬遠される」
>来年5月以降、秋篠宮は現在の皇太子と同格になるのだが、世間の関心に晒される覚悟はできているのかといえば甚だ心もとない。今上天皇の幼少期からの学友の一人がこっそりと打ち明ける。「勝手に留学を切り上げて帰国し、昭和天皇の喪中に婚約したわがままぶりをみても、いかがなものかと考えていた」
この人物は、秋篠宮について皇太子や清子さんと比較して「問題児」とまで言い切る。
>現在の天皇・皇后について、「は秋篠宮家と近く、東宮家との間には溝がある」という報道がされてきた。しかしこれは一面的だと別の宮内庁担当記者が語る。
「秋篠宮が天皇・皇后の元を頻繁に訪れて情報交換しているのは事実。しかし『自分の都合のいいことだけを天皇に吹き込んでいる』というのは、宮内庁職員の共通した見方だ」
>今回の眞子様の一連の騒動を見ても、昨年突如としてNHKに情報をリークしたのは秋篠宮本人というのが衆目の一致するところだ。大学進学などの例をみてもわかるとおり、「秋篠宮本人がやってきたのと同様、眞子様のやりたいようにやらせただけ」(前出ベテラン記者)にすぎない。
「そもそも、女性宮家の議論がある中、眞子様が降嫁することがどのような影響を与えるか、たいして考えずにNHKにリークしたようだ」
>(婚約延期について秋篠宮は頭を抱えているのが現実として)しかも秋篠宮は、この期に及んで眞子様に「破断」を納得させていない。秋篠宮がこれまで子どもたちにしてきた家庭教育のツケが回っているといえば、それまでだが、実は悠仁様、つまり将来の天皇の「義理の兄」になる人物のことであり、「家庭の問題」で片づけられるものではない。
>(天皇が退位後に赤坂御用地に住むことにしたのは悠仁様の近くで将来の天皇としての自覚を養い、責務の重要さを伝えるためという見方を示したうえで)はたして秋篠宮は皇太子の次の天皇になるのか--。多くの皇室関係者、宮内庁関係者の見方は、「秋篠宮は即位を辞退し、悠仁様が即位する」ということで一致する。
>(天皇の退位や眞子様婚約内定など勝手にリークされているため官邸との間に溝があることを示したうえで)官邸筋が語る。「秋篠宮家は眞子様を完全な民間人にさせると判断した。これは女性宮家への動きに水を差した」(中略)
しかし前述したように、秋篠宮の考えはそれほど深くない。それどころか「眞子様が一旦皇籍を離脱しても、女性宮家が創設された後に復帰できると考えていた節さえある」(前出皇室ジャーナリスト)。これでは政治の側が振り回されるのもむべなるかな、である。
>「入れ物」だけを準備しても相応しい皇嗣家ができるわけではない。「秋篠宮皇嗣殿下」の誕生まで、準備期間はあと1年2カ月ほどしか残されていない。
といった調子です。ざっと要点だけですが、ご参考になれば幸いです。
(メールからの転載ここまで)(Mさん、ありがとうございます)
上掲の通り、おかしな持ち上げ記事がお約束の秋篠宮家について、率直な事実(喪中婚約、子育て失敗、NHKへのリーク等)が書かれているため、この記事は東宮支持派にも好意的に受け止められているようです。
しかし、どうも腑に落ちない。この『選択』という雑誌、5年前に雅子さまバッシング記事(東宮--皇室危うくする雅子妃)を掲載しているのですが、バイアスがかかった見方を垂れ流す内容で、決して皇室の真実を取材して書くというスタンスのメディアではないはず。
と思っていたところ、鋭い眼光でこの記事の本質を見透かしているコメントを読む機会に恵まれました。お台所のオークリー様のコメントです。許可を得て、要旨をご紹介します。
■「読者に対し何を信じ込ませたいか」という視点で見ると
(コメント引用開始)
私は週刊誌であれテレビであれ、皇室記事は「コトの真偽」というより「プロパガンダ」の部分を無視するべきではないと思っています。読者or視聴者に対し、何を信じ込ませたいか、です。幸か不幸か(不幸に決まってますが)平成の天皇・皇后は週刊誌が大好きで、うまく使い倒してきました。
『選択』はどのような人を読者対象にしているかというと、“政財界のエグゼクティブ”だそう。つまり、今回『選択』は、社会で力を持っている人たちに「秋篠宮はわがまま男」「こんな男を皇嗣殿下にするんですよ、しかも着々と準備は進んでいますよ」と教えているわけですね。まぁ、私たちにとっては「今さら」感がありますが。
目に付いたところを書き出してみると。
>秋篠宮が天皇・皇后の元を頻繁に訪れて情報交換しているのは事実。しかし『自分の都合のいいことだけを天皇に吹き込んでいる』といのは、宮内庁職員の共通した見方だ。
>そもそも、女性宮家の議論がある中、眞子様が降嫁することがどのような影響を与えるのか、たいして考えずにNHKにリークしたようだ。
>しかも秋篠宮は、この期に及んで眞子様に「破談」を納得させていない。
>秋篠宮一人が皇嗣家を作るのではない、宮内庁の職員も含めて東宮家のような皇嗣家を成立させるべきだが、宮さまだけでなく職員にもその準備ができていない。
>譲位日程も決まった今、天皇が今最も心を配っているのは悠仁様のことだと、前出の皇室ジャーナリストは語る。
>葉山や京都に居を移していわゆる隠居することもできたが、あえて赤坂御用地に住むことを選んだ。これは秋篠宮家、というより悠仁様の近くで『将来の天皇としての自覚』を養い、責務の重要さを伝えるためだとみられている。
>「秋篠宮は即位を辞退し、悠仁様が即位する」ということで一致する。現在の秋篠宮家ではできない帝王学を天皇自らが施すことを考えているのだ。(中略)そのためにも心もとない秋篠宮を天皇や宮内庁がサポートする「ユージンファースト」の態勢を作ろうとしている。
おや? こうして書き出してみると、悪者は秋篠宮一人。ということは、ここでコメントしている皇室ジャーナリストは「キコちゃんLOVE」の岩井記者の可能性が高くなる? この男、『選択』に皇室についての連載を持っています。無関係とは思えませんね。
・秋篠宮家は皇太子家に比べて人手が少ない、もっと人員がほしい。
・今上天皇が悠仁親王に直接「帝王学」を施す。
これは常々、紀子妃が皇室ジャーナリストを名乗る山下晋司などを通じて言い続けていることですね。
>女性宮家への是非はともかく、これは天皇家側の強い意向だと説明されてきた。天皇と一番近いとされる秋篠宮が、長女をまっさきに皇室から外に出そうというのだから、政治側は戸惑うばかりだ。
>しかし前述したように、秋篠宮の考えはそれほど深くない。それどころか「眞子様が一旦皇籍を離脱しても、女性宮家が創設された後に復帰できると考えていた節さえある」(前出皇室ジャーナリスト)
アホやねえ、この皇室ジャーナリスト。「復帰できると考えていた節さえある」で終らせてはダメなんです。生前退位、女性宮家創設--平成は、自分から政治に口を出し、あーしてくれこーしてくれと要求した天皇の御代だということ、忘れてはいけない。
秋篠宮は「復帰できる」ではなく「復帰させればいい」と考えて、それを天皇に具申する。天皇は、「そうね、それがいいね。安倍にやるように言っておこう」というふうに進むのです。ここはシンプルに、「徳仁皇太子の次は悠仁親王。帝王学は暇になった上皇が教えるから大丈夫」ということを読者に知らしめる、というのがこの記事の最大の狙いだろうと思います。そして、頼りない秋篠宮を亭主に持って紀子妃も大変なのだから、職員に評判が悪くても仕方がない面もあるんですよとフォロー。あなた方エグゼクティブも、部下の顔を思い出せばわかるでしょう、仕事できない奴に限って上を厳しいと責めますよね、あれとおんなじなんですよ~と言っているわけです。
(コメント引用ここまで)(オークリー様、ありがとうございます)
■2013年『週刊新潮』スクープと同じ路線
オークリー様の解説を読んで背筋がざわつきました。この『選択』記事がさりげな~く読者に刷り込もうとしている皇位継承路線は、2013年に『週刊新潮』が「機密性の高い水面下の動き」としてスクープした「徳仁皇太子の次は秋篠宮を飛ばして悠仁親王へ」という路線とまったく同じ。以下、過去記事から引用します。
(1) 皇后様は『皇太子妃には将来、皇后の仕事はつとまらない』と考えておられる。
(2) 将来、皇太子殿下には天皇に即位していただくが、雅子様が皇后の務めを果たすことは難しいので、早期に退位していただく。しかし、その後に皇位を継ぐのは秋篠宮殿下ではなく、その長男である悠仁親王とする。
(3) これを実現するには、現行の皇室典範では不可能な「天皇の生前退位」や「皇位継承の辞退」を可能にする必要がある。
(4) このため、風岡典之宮内庁長官が安倍首相に「皇室典範の改正」を要請した。
(5) これらはすべて天皇、皇后両陛下の思し召しである。すでに天皇・皇太子・秋篠宮の三者会談でも話し合われ、納得されている。(「宮内庁幹部」が解説)
・週刊新潮「『雅子妃』不適格で『悠仁親王』即位への道」記事の信憑性について
このブログ記事で、「もし報じられている通りなら、天皇皇后の政治介入という、あってはならないことが起きている」と書きましたが、「生前退位」については、そのまま現実になってしまいました。NHKにリークしてメディアをうまく使い、「おことば」で国民を味方につけた結果、「憲法違反」の言葉を聞くことも殆どなく、とんとん拍子で実現してしまった経緯は、これまで取り上げてきた通りです。
同じように、雅子様バッシングで次期天皇を早期退位に追い込み、秋篠宮を飛ばして悠仁親王へ皇位継承するという企みも、現実になってしまうのでしょうか。平成は、ほんとうに恐ろしい象徴を戴いてしまったようです。
『選択』記事で強い違和感をおぼえたことが、もう1つあります。秋篠宮が深い考えを持たず眞子様を降嫁させようとしたと、執筆者は繰り返し読者に訴えてきますが、とぼけるのも大概にしてほしい。秋篠宮がNHKに眞子様婚約をリークしたのは「女性宮家を早く寄越せ」アピールだったことは、秋篠宮お気に入りの皇室評論家さえ言っていたことで、「衆目の一致するところ」であるはず。
NHKがどれだけ非常識な長尺で眞子様の公務ニュースを流し続けたか。呆れて開いた口がふさがらない、そのまま顎が外れるほどの厚かましさでした。それだけ必死でアピールしても政府動かず世論も動かず女性宮家の早期ゲットは失敗したわけです。
もし思惑通り世論が動いて女性宮家の道筋がついていたら、小室親子のスキャンダルはもみ消され、晴れて婚約していたでしょう。女性宮家ゲットに失敗したから、400万円程度の借金をことさらメディアに叩かせ、皇室に残ることができる可能性が低い結婚を避けたことはミエミエです。そのことに知らぬふりをする『選択』記事はおかしい。悠仁親王の不正入学や知的発達に問題がある疑惑についても全く触れず、あたかも秋篠宮より優れた皇位継承者であるかのように錯覚させる文章は巧妙としかいいようがない。
秋篠宮が「自分に都合のいいことだけ天皇に吹き込んでいる」「それは宮内庁職員の一致した見方だ」といった突っ込みは確かに他誌には期待できない新鮮さがありますが、「肉を切らせて骨を断つ」作戦をとったのでしょう。そういう作戦に出なければ鎮められないほど、今回の婚約延期スキャンダルへの世間の反発は大きかったのでしょう。しかし、そうした醜聞も、カエルの面に何とやらで、肝腎カナメである悠仁親王への皇位継承(秋篠宮家による皇室独占)というロードマップは、これからもさまざまなメディアを使って「当たり前の既定路線」として国民に刷り込まれていくに違いなく。私たちは「NO!」の意思表示をし続けなければなりません。