政府が5月10日に与野党に示した「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の要綱」全文が、
ようやくWebに出ました。
他の新聞は全文閲覧に会員登録などが必要ですが、京都新聞は無条件で出してくれたので、
これを転載します。もともと政府が出した法案なので、著作権には抵触しないと思います。
この法案のもっとも姑息なところは秋篠宮さまの待遇に関する部分で、
関連個所は赤字または青字にしています。
天皇陛下の退位を実現する特例法案要綱の全文は次の通り。
天皇の退位等に関する皇室典範特例法案要綱
第一 趣旨
この法律は、天皇陛下が、昭和64年1月7日の御即位以来28年を超える長期にわたり、国事行為のほか、全国各地への御訪問、被災地のお見舞いをはじめとする象徴としての公的な御活動に精励してこられた中、83歳と御高齢になられ、今後これらの御活動を天皇として自ら続けられることが困難となることを深く案じておられること、これに対し、国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること、さらに、皇嗣である皇太子殿下は、57歳となられ、これまで国事行為の臨時代行等の御公務に長期にわたり精勤されておられることという現下の状況に鑑み、皇室典範(昭和22年法律第三号)第四条の規定の特例として、天皇陛下の退位及び皇嗣の即位を実現するとともに、天皇陛下の退位後の地位その他の退位に伴い必要となる事項を定めるものとすること。
第二 天皇の退位及び皇嗣の即位
天皇は、この法律の施行の日限り、退位し、皇嗣が、直ちに即位するものとすること。
第三 上皇
一 第二により退位した天皇は、上皇とするものとすること。
二 上皇の敬称は、陛下とするものとすること。
三 上皇の身分に関する事項の登録、喪儀及び陵墓については、天皇の例によるものとすること。
四 上皇に関しては、二及び三の事項を除き、皇室典範に定める事項(皇位継承資格及び皇室会
議の議員資格に関する事項を除く。)については、皇族の例によるものとすること。
第四 上皇后
一 上皇の后は、上皇后とするものとすること。
二 上皇后に関しては、皇室典範に定める事項については、皇太后の例によるものとすること。
第五 皇位継承後の皇嗣
第二による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関しては、皇室典範に定める事項については、
皇太子の例によるものとすること。
第六 附則
一 施行期日
1 この法律は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、第一並びに第六の一の2、二、八及び九は公布の日から、第六の十及び十一はこの法律の施行の日の翌日から施行するものとすること。
2 1の政令を定めるに当たっては、内閣総理大臣は、あらかじめ、皇室会議の意見を聴かなければならないものとすること。
二 この法律の失効
この法律は、この法律の施行の日以前に皇室典範第四条の規定による皇位の継承があったときは、その効力を失うものとすること。
三 皇室典範の一部改正
皇室典範の附則に、次の規定を新設するものとすること。
この法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第 号)は、この法律と一体を成すものである。
四 上皇に関する他の法令の適用
1 上皇に関しては、次に掲げる事項については、天皇の例によるものとすること。
(一)刑法(明治40年法律第四十五号)の名誉に対する罪に係る告訴及び検察審査会法(昭和23年法律第百四十七号)の規定による検察審査員の職務
(二)(一)の事項のほか、皇室経済法(昭和22年法律第四号)その他の政令で定める法令に定める事項
2 上皇に関しては、1の事項のほか、警察法(昭和29年法律第百六十二号)その他の政令で定める法令に定める事項については、皇族の例によるものとすること。
3 上皇の御所は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(平成28年法律第九号)の規定の適用については、同法第二条第一項第一号ホに掲げる施設とみなすものとすること。
五 上皇后に関する他の法令の適用
上皇后に関しては、次に掲げる事項については、皇太后の例によるものとすること。
(一)刑法の名誉に対する罪に係る告訴及び検察審査会法の規定による検察審査員の職務
(二)(一)の事項のほか、皇室経済法その他の政令で定める法令に定める事項
六 皇位継承後の皇嗣に関する皇室経済法等の適用
1 第二による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に対しては、皇族費のうち年額によるものとして、定額の3倍に相当する額の金額を毎年支出するものとすること。
2 四の3の規定は、第二による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族の御在所について準用するものとすること。
七 贈与税の非課税等
第二により皇位の継承があった場合において皇室経済法第七条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物については、贈与税を課さないものとすること。
八 意見公募手続等の適用除外
次に掲げる政令を定める行為については、行政手続法(平成5年法律第八十八号)第六章の規定は、適用しないものとすること。
(一)第二による皇位の継承に伴う元号法(昭和54年法律第四十三号)第一項の規定に基づく政令
(二)四の1の(二)、四の2、五の(二)及び九に基づく政令
九 政令への委任
この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定めるものとすること。
十 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第百七十八号)の一部改正
国民の祝日である天皇誕生日を「12月23日」から「2月23日」に改めるものとすること。
十一 宮内庁法(昭和22年法律第七十号)の一部改正
宮内庁法の附則に、次の規定を新設するものとすること。
1 宮内庁は、第二条各号に掲げる事務のほか、上皇に関する事務をつかさどるものとすること。
2 1の所掌事務を遂行するため、宮内庁に、上皇職並びに上皇侍従長及び上皇侍従次長を置くものとすること。
3 上皇侍従長及び上皇侍従次長については、国家公務員法(昭和22年法律第百二十号)第二
条に規定する特別職とし、給与等所要の規定の整備をするものとすること。
4 第二による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関する事務を遂行するため、宮内庁に、皇嗣職及び皇嗣職大夫を置くものとすること。
5 皇嗣職が置かれている間は、東宮職を置かないものとするものとすること。
6 皇嗣職大夫については、国家公務員法第二条に規定する特別職とし、給与等所要の規定の整備をするものとすること。
(京都新聞からの転載は以上です)
・天皇退位特例法案の要綱全文(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170510000113
皇嗣殿下などという変な呼称は消えたようですが、あとは骨子案通りですね。
皇族費の3倍相当額を毎年支出する、皇嗣職及び皇嗣職大夫を置く、皇嗣職が置かれている間は東宮職を置かないなど。
要注意は「皇室典範に定める事項については皇太子の例によるものとする」でしょうか。
検証し、反対すべき箇所は多いかと思います。
この姑息すぎる法案は、12日中に公明党・自民党で承認され、19日に閣議決定される見通しです。
その後国会で審議されるわけですが、野党が言うべきことを言ってくれるかどうか案じられます。
「ここがおかしい」「ここに反対」という意見を、野党の責任者宛てに送りたいです。
安倍政権は数の論理でゴリ押しするでしょうが、言うべきことを言わなくては民主主義が死にます。
いかに抵抗したかが問われます。
ようやくWebに出ました。
他の新聞は全文閲覧に会員登録などが必要ですが、京都新聞は無条件で出してくれたので、
これを転載します。もともと政府が出した法案なので、著作権には抵触しないと思います。
この法案のもっとも姑息なところは秋篠宮さまの待遇に関する部分で、
関連個所は赤字または青字にしています。
天皇陛下の退位を実現する特例法案要綱の全文は次の通り。
天皇の退位等に関する皇室典範特例法案要綱
第一 趣旨
この法律は、天皇陛下が、昭和64年1月7日の御即位以来28年を超える長期にわたり、国事行為のほか、全国各地への御訪問、被災地のお見舞いをはじめとする象徴としての公的な御活動に精励してこられた中、83歳と御高齢になられ、今後これらの御活動を天皇として自ら続けられることが困難となることを深く案じておられること、これに対し、国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること、さらに、皇嗣である皇太子殿下は、57歳となられ、これまで国事行為の臨時代行等の御公務に長期にわたり精勤されておられることという現下の状況に鑑み、皇室典範(昭和22年法律第三号)第四条の規定の特例として、天皇陛下の退位及び皇嗣の即位を実現するとともに、天皇陛下の退位後の地位その他の退位に伴い必要となる事項を定めるものとすること。
第二 天皇の退位及び皇嗣の即位
天皇は、この法律の施行の日限り、退位し、皇嗣が、直ちに即位するものとすること。
第三 上皇
一 第二により退位した天皇は、上皇とするものとすること。
二 上皇の敬称は、陛下とするものとすること。
三 上皇の身分に関する事項の登録、喪儀及び陵墓については、天皇の例によるものとすること。
四 上皇に関しては、二及び三の事項を除き、皇室典範に定める事項(皇位継承資格及び皇室会
議の議員資格に関する事項を除く。)については、皇族の例によるものとすること。
第四 上皇后
一 上皇の后は、上皇后とするものとすること。
二 上皇后に関しては、皇室典範に定める事項については、皇太后の例によるものとすること。
第五 皇位継承後の皇嗣
第二による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関しては、皇室典範に定める事項については、
皇太子の例によるものとすること。
第六 附則
一 施行期日
1 この法律は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、第一並びに第六の一の2、二、八及び九は公布の日から、第六の十及び十一はこの法律の施行の日の翌日から施行するものとすること。
2 1の政令を定めるに当たっては、内閣総理大臣は、あらかじめ、皇室会議の意見を聴かなければならないものとすること。
二 この法律の失効
この法律は、この法律の施行の日以前に皇室典範第四条の規定による皇位の継承があったときは、その効力を失うものとすること。
三 皇室典範の一部改正
皇室典範の附則に、次の規定を新設するものとすること。
この法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第 号)は、この法律と一体を成すものである。
四 上皇に関する他の法令の適用
1 上皇に関しては、次に掲げる事項については、天皇の例によるものとすること。
(一)刑法(明治40年法律第四十五号)の名誉に対する罪に係る告訴及び検察審査会法(昭和23年法律第百四十七号)の規定による検察審査員の職務
(二)(一)の事項のほか、皇室経済法(昭和22年法律第四号)その他の政令で定める法令に定める事項
2 上皇に関しては、1の事項のほか、警察法(昭和29年法律第百六十二号)その他の政令で定める法令に定める事項については、皇族の例によるものとすること。
3 上皇の御所は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(平成28年法律第九号)の規定の適用については、同法第二条第一項第一号ホに掲げる施設とみなすものとすること。
五 上皇后に関する他の法令の適用
上皇后に関しては、次に掲げる事項については、皇太后の例によるものとすること。
(一)刑法の名誉に対する罪に係る告訴及び検察審査会法の規定による検察審査員の職務
(二)(一)の事項のほか、皇室経済法その他の政令で定める法令に定める事項
六 皇位継承後の皇嗣に関する皇室経済法等の適用
1 第二による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に対しては、皇族費のうち年額によるものとして、定額の3倍に相当する額の金額を毎年支出するものとすること。
2 四の3の規定は、第二による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族の御在所について準用するものとすること。
七 贈与税の非課税等
第二により皇位の継承があった場合において皇室経済法第七条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物については、贈与税を課さないものとすること。
八 意見公募手続等の適用除外
次に掲げる政令を定める行為については、行政手続法(平成5年法律第八十八号)第六章の規定は、適用しないものとすること。
(一)第二による皇位の継承に伴う元号法(昭和54年法律第四十三号)第一項の規定に基づく政令
(二)四の1の(二)、四の2、五の(二)及び九に基づく政令
九 政令への委任
この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定めるものとすること。
十 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第百七十八号)の一部改正
国民の祝日である天皇誕生日を「12月23日」から「2月23日」に改めるものとすること。
十一 宮内庁法(昭和22年法律第七十号)の一部改正
宮内庁法の附則に、次の規定を新設するものとすること。
1 宮内庁は、第二条各号に掲げる事務のほか、上皇に関する事務をつかさどるものとすること。
2 1の所掌事務を遂行するため、宮内庁に、上皇職並びに上皇侍従長及び上皇侍従次長を置くものとすること。
3 上皇侍従長及び上皇侍従次長については、国家公務員法(昭和22年法律第百二十号)第二
条に規定する特別職とし、給与等所要の規定の整備をするものとすること。
4 第二による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関する事務を遂行するため、宮内庁に、皇嗣職及び皇嗣職大夫を置くものとすること。
5 皇嗣職が置かれている間は、東宮職を置かないものとするものとすること。
6 皇嗣職大夫については、国家公務員法第二条に規定する特別職とし、給与等所要の規定の整備をするものとすること。
(京都新聞からの転載は以上です)
・天皇退位特例法案の要綱全文(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170510000113
皇嗣殿下などという変な呼称は消えたようですが、あとは骨子案通りですね。
皇族費の3倍相当額を毎年支出する、皇嗣職及び皇嗣職大夫を置く、皇嗣職が置かれている間は東宮職を置かないなど。
要注意は「皇室典範に定める事項については皇太子の例によるものとする」でしょうか。
検証し、反対すべき箇所は多いかと思います。
この姑息すぎる法案は、12日中に公明党・自民党で承認され、19日に閣議決定される見通しです。
その後国会で審議されるわけですが、野党が言うべきことを言ってくれるかどうか案じられます。
「ここがおかしい」「ここに反対」という意見を、野党の責任者宛てに送りたいです。
安倍政権は数の論理でゴリ押しするでしょうが、言うべきことを言わなくては民主主義が死にます。
いかに抵抗したかが問われます。